診療案内
対象となる主な疾患
Medical information
※16歳以上の方が対象です。
※カウンセリングや心理検査は、当院通院中の方で医師が必要と認めた場合に実施します。
うつ病
うつ病とは、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることにより、気分が落ち込んだり、注意・集中力や意欲が低下する病気です。
食欲が低下する、便秘になる、肩こりや頭痛がする、喉や胸がつかえる感じがするなど、身体に症状が現れることもあります。
治療としては、抗うつ薬などによる薬物療法が中心となるほか、適切な休養、十分な睡眠などが必要となります。
再発を予防するため、病気の特性を理解し、行動活性化法、認知行動療法やマインドフルネスなどを学ぶことも有効です。
適応障害
適応障害とは、生活や環境からのストレスに対する反応が強く現れ、気分の落ち込みをはじめ、心身ともに様々な症状が現れてくる状態をさします。
治療としては、ストレスから離れ休養を取ることです。症状によっては薬物療法を必要とすることもあります。
再発を予防するため、ストレスへの対処の仕方を身につけたり、考え方や行動パターンを変化させたりすることも大切です。
統合失調症
統合失調症とは、脳内の神経伝達物質のバランスの崩れなどにより、幻覚や妄想が出現したり、まとまりのない考えや言動が現れたりするほか、意欲や自発性が低下し社会的引きこもりになったりすることがある病気です。
自分が病気であるという自覚(病識)を持ちにくいことも特徴のひとつです。
治療としては、抗精神病薬などの薬物療法が中心となるほか、デイケアやショートケアなどへ通所して引きこもりを予防するリハビリを行なったり、病気について学び病識を獲得できるようにしたりすることが大切です。
不安障害
不安障害は、日常生活に支障が出るほど強い不安や恐怖を感じてしまう病気の総称です。
全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、いろいろな恐怖症などがあります。
治療としては、抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法のほか、不安に慣れるための練習(暴露療法など)も有効です。
認知症
認知症とは、何らかの原因で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす病気です。認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。
「もの忘れ」のイメージがありますが、初期には活気がなくなる、意欲が低下する、怒りっぽくなるなどの変化で気づかれ、うつ病と見分けがつきにくいこともあります。
また、レビー小体型認知症はもの忘れが目立つ前に、小動物や人物のありありとした幻視が出現することで気づかれるケースが多くあります。
高齢者の病気だと思われがちですが、稀に40代〜50代でも発症することがあります。
治療としては、抗認知症薬により意欲を改善したり、認知機能低下の進行を緩やかにしたりするほか、デイサービスへの通所などにより心身のリハビリを行い、ADLの維持改善をすることが大切です。
大人の発達障害
発達障害とは、幼少期から現れる発達のアンバランスさによって、脳内の情報処理や制御に偏りが生じ、日常生活に困難をきたしている状態のことです。
不注意、多動性、衝動性を中心とする注意欠如・多動症(attention deficit/hyperactivity disorder: ADHD)や、人とのコミュニケーションが苦手で、強いこだわりを持つことの多い自閉スぺクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)などが中心となりますが、両方の特徴を持っている場合や、聴覚や触覚の過敏性などがみられる場合もあります。
また、知的発達に遅れはない場合でも、「読む」「書く」「計算する」が苦手な限局性学習症/学習障害(learning disorder/specific learning disorder; LD)が幼少期から現れているケースもあります。
幼少期に診断を受けないまま成長し、大人になってから社会的な困難を感じて受診した結果、心理検査等を経て診断されることがあります。
治療としては、まずは特性を理解し、苦手なことに対処できる方法を身につけたり、得意なことを活かした活動や仕事に就くことです。薬物療法も補助的に行われることがあります。
双極性障害(躁うつ病)
双極性障害とは、気分の落ち込みを中心とした「うつ病相」と、気分が高ぶりハイテンションになったり、怒りっぽくなったりする「躁病相」を繰り返す病気です。
双極性障害のうつ状態には抗うつ薬が有効でないことが多く、抗うつ薬の使用によって躁状態を惹起してしまう恐れもあります。
気分安定薬などにより気分の波を起こさないようにする薬物療法が必要です。
再発を予防するため、病気の特性について学び、今どのような気分状態でいるかを自覚できるようになることが大切です。